フリーランス新法 委託「6カ月以上」に配慮義務 育児・介護と両立(厚労省)
厚生労働省の有識者検討会は、今秋に施行される予定のフリーランス新法に関連し、フリーランスの就業環境整備に関する報告書の骨子案を取りまとめました。
育児・介護との両立に向けた発注者の配慮義務や、契約解除の予告義務などを定めたフリーランス新法の政省令・告示の内容を示したものです。
それによると、契約期間が6カ月以上のフリーランスが育児・介護と仕事を両立できるよう配慮することを委託元企業の義務とし、契約期間が6カ月未満の場合は努力義務とするようです。
育児・介護休業は雇用保険に加入する労働者が対象となります。フリーランスは雇用保険に加入できず対象外です。
組織に対して立場の弱いフリーランスでも育児・介護と仕事を両立しやすい環境を整えることを目的とします。
フリーランス側から育児・介護について配慮の申し出があったときは、企業は内容を把握する必要があります。
そのうえで在宅勤務など対応できる選択肢を検討し、決まり次第、フリーランス側に伝達するよう求めます。
必要な配慮が実施できない場合は、企業側に理由を説明する義務が生じます。
本法は、個人として業務委託を受けるフリーランス(事業者)と企業などの発注事業者の間の取引の適正化、フリーランスの就業環境の整備を図ることを目的とし、
(1)取引の適正化を図るため、発注事業者に対し、フリーランスに業務委託した際の取引条件の明示等を義務付け、報酬の減額や受領拒否などを禁止するとともに、
(2)就業環境の整備を図るため、発注事業者に対し、フリーランスの育児介護等に対する配慮やハラスメント行為に係る相談体制の整備等を義務付けています。
本法については、本年秋頃までの施行が予定されており、今後、政省令やガイドラインにおいて具体的な内容が公表されますが、本法に関係する取引を行っている方は、施行までに必要な準備を行っていただくことが重要となります。
フリーランスとお取引のある事業者様は、施工までに必要な準備について、ぜひ社会保険労務士にご相談ください。