機械・金属製品製造業で労働災害が急増(労働局)
岡山労働局によると、県内の機械・金属製品製造業における令和元年から5年までの各年(1~12月)での労働災害件数(確定値。新型コロナウイルスによるものは除く。)は、令和4年に前年から大幅に増加したものの、令和5年には例年並みの178件になりました。
しかし本年に入ってからは再び増加、令和になってからの各年5月末時点の件数は最多の86件に上っています。
これは令和5年同時期と比べて約1.8倍になっています。
令和元年から令和5年までの間、機械・金属製品製造業の労働災害件数は961件であり、事故の型でみると、「はさまれ、巻き込まれ」、「転倒」、「飛来、落下」、「動作の反動、無理な動作」、「墜落、転落」以下の順に多割合が高くなっています。
これが令和6年は5月までの状況で見ると、手足を捻挫するものが増加しており、「動作の反動、無理な動作」の割合が増え、例年の約1.7倍になっています。
被災者の年代別にみると、令和元年から5年では「40歳台」、「50歳台」、「20歳台以下」の順に割合が高かったものが、令和6年は「20歳台以下」の割合が高く、1.4倍になっています。
被災者の経験期間別にみると、令和元年から5年では「1年未満」が22%、「1~3年未満」が19%でしたが、令和6年は「1年未満」が30%、「1~3年未満」が23%で、「3年未満」でまとめると53%になっています。
令和6年に入ってからの災害は、腰痛や捻挫など「動作の反動、無理な動作」が特に増えており、「転倒」災害も年々増加しています。また若い方や作業経験が浅い方の災害も増えています。
この要因の一つとしては、人口減少や、新型コロナウイルス感染症からの経済活動の回復に伴う人手不足にある中で、新たに業務に就くことになった方や業務変更があった方に対しての教育内容や、教育を受ける側の理解などに問題があると考えられます。
またこれらの方は、周囲で行われている作業を見てそれを真似る傾向にあると思われます。
全国安全週間が7月1日から始まり、その前の6月は準備期間になっています。
この全国安全週間には実施要綱があり、その中に実施者(事業場)で行っていただきたい取り組みが示されています
この要綱で示された取り組みに加え、教育の定着状況の確認、日々行われている作業であってもそこに危険は潜んでいないか、改めて再確認していただき、必要なフォロー・改善を行っていただきたいと思います。
労働安全衛生に関するごお悩みは、労働安全衛生法の専門家である社会保険労務士にご相談下さい。