不妊治療と仕事の両立を支える職場づくりへ 〜厚労省がマニュアルを公表〜
近年、ライフスタイルや価値観の多様化により、不妊治療を受けながら働く方が増えています。しかし、治療と仕事の両立には、時間的・精神的・経済的な負担が伴うのが現実です。
厚生労働省はこのたび、「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル」「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」を公表しました。これは、企業における具体的な取り組み事例や制度設計のポイントをまとめたもので、従業員が不妊治療と仕事を両立しやすくするための道しるべとなるものです。
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不妊治療と仕事との両立について|厚生労働省
不妊治療と仕事の間にある課題
不妊治療では、突発的な通院や長期間にわたる治療スケジュール、心身のストレスなど、通常の勤務では対応が難しいケースが少なくありません。
また、職場での理解不足や、上司や同僚に治療のことを打ち明けにくいという悩みも多く聞かれます。その結果、仕事を辞めざるを得なかったり、治療自体を断念したりする方も少なくありません。
企業に求められる取り組みとは
厚労省のマニュアルでは、以下のような具体策が紹介されています。
- 制度面での支援
・不妊治療休暇制度の導入
・フレックスタイム制やテレワークなど柔軟な働き方の整備 - 風土づくり
・上司や同僚への研修や啓発
・プライバシーに配慮した相談体制の構築 - 相談窓口の設置
・人事・労務部門による相談対応
・社内外の専門家と連携した支援体制
注目すべきは、「治療と仕事を両立できる環境づくり」は、単なる福利厚生ではなく、多様な人材が安心して働ける企業文化をつくるうえでの重要な経営戦略であるという視点です。
当事務所のサポート
職場がほんの少しの理解と制度設計を行うだけで、従業員の「辞めずに済んだ」「治療に専念できた」という声に繋がります。
私自身、企業の労務管理をサポートする社会保険労務士として、「不妊治療と仕事の両立支援」はこれからの人事・労務の重要なテーマだと感じています。
制度導入や社内説明のご相談もお気軽にどうぞ。
従業員が「人生を大切にしながら働ける職場」づくりを一緒に考えていきましょう。