【厚生労働省】「モデル就業規則」最新版のポイント解説
― 就業規則作成・見直し時に必ず確認したい改訂内容とは ―
就業規則を作成・見直しする際、多くの企業が参考にしているのが、厚生労働省の「モデル就業規則」です。
このモデル就業規則は、労働基準法をはじめとする関係法令を踏まえ、条文例と解説をセットで示したもので、実務上も非常に有用な資料です。
このモデル就業規則について、先月12月に最新版が公表されました。
本記事では、今回の改訂のポイントと、企業が実務上注意すべき点について解説します。
厚生労働省の「モデル就業規則」とは
厚生労働省のモデル就業規則は、法律で義務付けられた最低限の内容を網羅しつつ、企業が自社の実情に合わせて就業規則を整備するためのひな型(モデル)です。
あくまで「モデル」ではありますが、
- 法改正への対応状況を確認できる
- 就業規則作成時の漏れを防げる
- 労基署対応やトラブル予防に役立つ
といった点から、就業規則実務では欠かせない資料となっています。
【改訂ポイント①】立候補に伴う休暇規定の追加
今回の改訂で新たに追加されたのが、国会議員・地方議会議員に立候補する場合の休暇規定例です。
モデル就業規則では、従来から
- 裁判員・補充裁判員
- 裁判員候補者
に関する休暇規定が示されていましたが、これに加えて、選挙への立候補に伴う休暇が明確に示されました。
これは、労働基準法第7条により、「労働者が裁判員や選挙運動に必要な時間を請求した場合、使用者はこれを拒んではならない」とされていることを踏まえたものです。
実務上は、「制度として就業規則に明記しておくこと」が、企業・従業員双方のトラブル防止につながります。
【改訂ポイント②】特別休暇の考え方がより具体化
モデル就業規則では、法律上義務ではないものの、企業が任意で設ける特別休暇についても紹介されています。
今回の改訂では、従来の
- 不妊治療休暇
- 慶弔休暇
- 病気休暇
に加え、以下のような休暇制度についても検討例として紹介されました。
- ボランティア休暇
- ドナー休暇
- 犯罪被害者等の被害回復のための休暇
- 更年期症状による体調不良等への配慮を目的とした休暇
近年の多様な働き方や健康配慮の流れを反映した内容となっており、人材定着や職場環境改善の観点からも注目すべきポイントです。
モデル就業規則は「そのまま使う」ものではない
注意したいのは、モデル就業規則はあくまで参考例であり、そのまま自社に当てはめればよい、というものではありません。
- 会社の規模
- 業種・勤務形態
- 実際の運用
に合わない規定を入れてしまうと、かえってトラブルの原因になることもあります。
特に、休暇制度や服務規律などは、実際に運用できる内容かどうかを踏まえた設計が重要です。
就業規則の作成・見直しは「法改正対応」が重要です
モデル就業規則が定期的に改訂される背景には、法改正や社会情勢の変化があります。
就業規則を長期間見直していない場合、知らないうちに法改正に対応できていないケースも少なくありません。
- 就業規則を作ったまま数年見直していない
- 法改正への対応状況が不安
- 自社に合った内容になっているか確認したい
このような場合は、専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
令和7年12月改訂のモデル就業規則では、立候補に伴う休暇や、多様な特別休暇の考え方など、実務上重要なポイントが追加されています。
就業規則は、企業を守るルールであると同時に、従業員との信頼関係を築く土台でもあります。
法改正をきっかけに、一度見直しを検討してみてはいかがでしょうか。
就業規則の作成・見直し、法改正対応については、お気軽に当事務所までご相談ください。

