業務改善助成金が拡充!最低賃金改定に備えるポイント
先日、厚生労働省は、業務改善助成金を拡充することを公表しました。
業務改善助成金は、中小企業や小規模事業者が最低賃金の引上げに取り組む際に、設備投資などの経費を助成する制度です。
人材の確保や定着につなげることを目的としており、毎年の最低賃金改定にあわせて制度が見直されています。
具体的には、次の内容となっています。
拡充ポイント
対象事業所の拡大
従来は「事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内」の事業所が対象でした。
今回からは、事業場内最低賃金が改定後の地域別最低賃金額未満の事業所まで拡大されます。
ただし、事業場内最低賃金が地域別最低賃金と同額の場合は対象外です。
賃金引上げ計画書の省略
●令和7年9月5日から令和7年度当該地域の最低賃金改定日の前日までに賃金引上げを実施していれば、賃金引上げ計画の提出は不要
●申請期限は、申請事業所に適用される地域別最低賃金改定日の前日
●申請書や見積書のほかに、「事業実施計画(設備投資等の計画)」および「賃上げ結果」を提出する
●計画に対する審査審査の上、交付決定を受けたら計画に基づく設備投資等を実施する
●事業所での賃金引上げ日から地域別最低賃金の発効日までに勤務実績がないことにより、賃金引上げの実施を確認できない場合は、当該労働者を賃金引上げ対象者に含めることはできない
なお、各都道府県の令和7年度地域別最低賃金発効日(予定)は下記となっています。
●10月10日まで
10月1日:栃木県
10月2日:新潟県
10月3日:千葉県、東京都、長野県
10月4日:北海道、宮城県、神奈川県、兵庫県、鳥取県
10月5日:滋賀県
10月8日:石川県、福井県
●10月10日以降10月31日まで
10月12日:茨城県、富山県
10月16日:大阪府、山口県
10月18日:岐阜県、愛知県、香川県
●11月中
11月1日:埼玉県、静岡県、和歌山県、広島県、鹿児島県
11月16日:奈良県、福岡県、宮崎県
11月17日:島根県
11月21日:青森県、三重県、京都府、佐賀県
●12月中
12月1日:岩手県、山梨県、岡山県、愛媛県、高知県、長崎県、沖縄県
12月23日:山形県
●2026年以降
1月1日:福島県、徳島県、熊本県、大分県
3月1日:群馬県
3月31日:秋田県
詳細は、下記リンク先にてご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63127.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63030.html
中小企業が活用するメリット
- 設備投資の費用を一部助成してもらえる
- 最低賃金引上げへの対応コストを軽減できる
- 従業員の処遇改善につながり、人材定着に効果が期待できる
申請の注意点
- 賃金引上げ日から地域別最低賃金の発効日までに勤務実績がない場合、その労働者は対象外となる
- 提出期限を過ぎると申請不可
- 書類不備があると審査に時間がかかり、交付決定が遅れる
早めの準備と専門家への相談が安心
今回の拡充で業務改善助成金は、対象が広がり活用しやすくなっています。
ただし、申請には細かい要件や期限があり、計画的に進めることが重要です。
当事務所では、助成金の申請サポートや就業規則の見直しなど、企業の実務対応を支援しています。
「自社が対象になるのか知りたい」「具体的な申請方法を相談したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。