精神障害の労災認定基準にカスタマーハラスメント等を追加

 厚生労働省は、「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表しました。
 業務による心理的負荷の大きさに関する評価表に「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」(いわゆるカスタマーハラスメント)、「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事した」を類型として追加しました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33933.html

 カスタマーハラスメントは、顧客や利用者からの嫌がらせや迷惑行為のことを指します。これには、侮辱、脅迫、暴力的な言動、過度なクレーム、セクシャルハラスメントなどが含まれます。カスタマーハラスメントは、従業員やサービス提供者に対して精神的な苦痛やストレスを与えるだけでなく、労働環境の品質や従業員の健康にも悪影響を与える可能性があります。労働者の権利を保護し、職場環境をより安全で健康的なものにするために、カスタマーハラスメントへの対策や予防が重要とされています。

 カスタマーハラスメントに対する対策としては、カスタマーハラスメントに関する明確なルールやガイドラインを策定し、全ての従業員に周知徹底させたり、従業員に対して、カスタマーハラスメントのリスクや影響、報告方法などについて教育を行います。また、匿名での報告や相談の窓口を設けるなど、従業員がハラスメントを報告しやすい環境を整えます。そして、ハラスメント行為が発生した場合には、適切な調査と対応を行います。必要に応じて関係者への警告や教育、厳正な処分などを行い、再発防止策を講じます。

 以上のような防止策のお手伝いをするのが我々社会保険労務士の役割です。社会保険労務士は、労働契約や労働基準法の専門家として、労働者の権利や法的保護について助言を提供することができます。カスタマーハラスメントの問題についても、労働者の権利や法的措置について説明し、適切な対応策や解決方法を提案することができます。
 また、社会保険労務士は、労災認定手続きにおいて労働者の利益を代表し、適切な手続きを支援することで、労災給付の受給や労災認定の確保に向けて助力します。労働者とのコミュニケーションを通じて労災関連の問題解決に取り組み、労働者の権利保護に尽力します。
 ハラスメント防止対策については我々社会保険労務士にお気軽にご相談ください。