「家事使用人の雇用ガイドライン」を策定(厚労省)

厚生労働省は8日、「家事使用人の雇用ガイドライン」の策定を公表しました。

一般のご家庭内で職業として行われる家事労働は、個人がそれぞれの事情に合わせて柔軟に働くことができる働き方として、社会的な関心が大きくなっています。

 その一方で、家事一般に従事する家事使用人は、労働契約法の適用は受けますが、労働基準法の適用を受けないことや、業務内容や就業時間などの基本的な内容が不明確であるために契約をめぐるトラブルが発生するケースが見られること、また、就業中のケガに対する補償が十分ではないことなどの問題が指摘されています。

 また、家事使用人は、家政婦(夫)紹介所を通じて、それぞれのご家庭のもとで働くケースが多いのですが、家政婦(夫)紹介所はご家庭に家事使用人を紹介し、雇用関係の成立をあっせんする機関であり、あくまでもご家庭が雇い主となります。しかし、雇い主であるという認識が十分ではないケースも一部に見られます。

 こうした状況を踏まえ、厚生労働省は、家事使用人の就業環境の改善に向けて、雇用主であるご家庭が、家事使用人と労働契約を結ぶ際や、就業中に留意すべき事項を示した、この『家事使用人の雇用ガイドライン』を作成しました。

 家事使用人に仕事を依頼するご家庭は、労働契約を結ぶ際、また就業に際してこのガイドラインの内容を踏まえ、家事使用人と十分話し合った上で契約の内容を決め、適正な就業環境の確保に努めることが望まれます。
 家事使用人の皆さまも、仕事を受ける前に、このガイドラインの内容をよく知っておくことが望まれます。

 さらに、家事労働においては、家政婦(夫)紹介所がご家庭と家事使用人を仲介することが多いことから、このガイドラインは、家政婦(夫)紹介所が果たすべき役割も示しています。家事使用人を雇うご家庭・家事使用人・家政婦(夫)紹介所など、関係者全員でこのガイドラインをご参照いただき、家事使用人が働きやすい環境の確保に努めていただくようお願いします。

ご不明な点は労働問題の専門家である社会保険労務士にご相談ください。

詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37762.html
概要版
https://www.mhlw.go.jp/content/11402000/001206491.pdf
ガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/11402000/001206492.pdf