【夏期年次有給休暇取得促進】取得促進に向けた職場づくりを

年次有給休暇は、すべての労働者に認められた法定の権利です。正社員に限らず、一定の条件を満たせば、パートタイム労働者を含むすべての方に付与されます。

厚生労働省が令和6年12月25日に公表した「令和6年就労条件総合調査」によると、令和5年の年次有給休暇の取得状況は以下の通りです。

  • 年間の年次有給休暇の1人あたり平均付与日数は16.9日(前年17.6日)
  • 平均取得日数は11.0日(前年10.9日)
  • **取得率は65.3%**と、前年の62.1%から3.2ポイント上昇し、昭和59年の調査開始以来、過去最高を更新しました。

政府は令和10年までに「取得率70%」の目標を掲げており、目標達成に向けて着実に前進している状況です。

弊所にも、「年休をもっと取得しやすい環境にしたい」「従業員から年休取得の要望が増えている」などのご相談が昨年よりも増加しています。
働き方改革が進む中で、従業員が安心して休暇を取得できる職場環境の整備は、企業にとっても重要なテーマです。

年次有給休暇をより有効に活用できるよう、2つの制度をご紹介します。
これからの夏に向けて導入をご検討ください。

◆年次有給休暇の計画的付与制度
 年次有給休暇の付与日数のうち、5日を除いた残りの日数について、労使協定を結べば、事業主が計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度です。導入により、休暇取得の確実性が高まり、労働者にとっては予定していた活動が行いやすく、事業主にとっては計画的な業務運営ができるというメリットがあります。

◆時間単位の年次有給休暇
 年次有給休暇の付与は原則1日単位ですが、労使協定を結べば、年5日の範囲内で、時間単位の取得が可能になります。導入により、労働者の様々な事情に応じた柔軟な働き方・休み方ができるというメリットがあります。

厚生労働省が運営する「年次有給休暇取得促進特設サイト」では、これらの制度のご案内のほか、企業の取組事例の紹介や各種リーフレットデータの掲載を行っていますのでぜひチェックしてください。

年次有給休暇取得促進特設サイト | 働き方・休み方改善ポータルサイト