【2026年改正】同一労働同一賃金の見直しポイント

2026年(令和8年)の制度改正に向けて、厚生労働省から「同一労働同一賃金」に関する最新資料が公表されました。今回の改正では、特にパート・有期雇用労働者への説明義務の強化がポイントとなっており、企業実務にも影響が出る内容です。本記事では、実務対応で重要となる「労働条件通知書の変更点」を中心に解説します。


同一労働同一賃金とは

同一労働同一賃金とは、正社員と非正規社員(パート・有期雇用など)の間で、不合理な待遇差をなくすことを目的とした制度です。すでに運用は進んでいますが、今回の改正ではさらに「説明責任」が明確化されました。


今回公表された主な資料

今回、以下のような資料が新たに公開されています。

  • リーフレット(詳細版・簡易版)
  • ポスター
  • 改正概要資料
  • ガイドライン新旧対照表
  • モデル労働条件通知書

この中でも、企業対応に直結するのが「モデル労働条件通知書」です。


【重要】労働条件通知書の変更点

今回の改正で特に注目すべきは、労働条件通知書の記載事項です。新たに以下の内容が追加されました。
労働条件通知書の「その他」欄に、
・正社員との待遇差の内容や理由について
・労働者が説明を求めることができること

を明記する必要があります。
さらに、担当部署・担当者名・連絡先の記載も求められます。


説明義務の強化(実務上のポイント)

今回の改正の本質は、単なる書式変更ではなく、次の点にあります。

①説明義務の明確化
パート・有期雇用労働者から求めがあった場合、「待遇差の内容・その理由」を説明する義務があります。これはパートタイム・有期雇用労働法に基づくものです。


②事前に「説明できる体制」が必要
単に「聞かれたら答える」ではなく、「なぜ待遇差があるのか・合理的に説明できるか」を事前に整理しておくことが重要です。


③不利益取扱いは禁止
説明を求めたことを理由に、「解雇・不利益な扱い」をすることは禁止されています。企業としては、相談しやすい環境整備も求められます。


用語の扱いにも注意

通知書上の「通常の労働者」という表現は、「正社員・総合職」など、自社の呼称に置き換えて記載することが可能です。実務では、社内で使っている用語に合わせた方が混乱を防げます。


実務対応のチェックポイント

今回の改正を踏まえ、以下の点を確認しておきましょう。

  • 労働条件通知書の様式を見直しているか
  • 説明窓口(担当者・連絡先)を明確にしているか
  • 待遇差の理由を整理・文書化しているか
  • 社内で説明対応できる体制があるか


早期対応がトラブル防止につながります

今回の改正は、形式的な変更に見えて、実際には「説明できない待遇差はリスクになる」という流れを強めるものです。特に中小企業では、「曖昧な運用・慣習的な待遇差」が残っているケースも多く、見直しの良い機会と言えます。


ご相談について

当事務所では、労働条件通知書の見直し、同一労働同一賃金対応、待遇差の整理・説明資料作成など、実務に即したサポートを行っています。お気軽にご相談ください。