規制改革推進会議が答申を公表~労務管理に影響するポイント~

2026年6月29日に開催された第28回規制改革推進会議において、「規制改革推進に関する答申(案)」が示されました。今回の答申では、「強い経済の実現」と「地方を伸ばし、暮らしを守る」の2つを柱として、労務管理に関わるさまざまな制度の見直しが盛り込まれています。現時点では制度改正が決定したわけではありませんが、今後の法改正につながる可能性が高く、企業の人事・労務担当者は内容を把握しておくことが重要です。


労働時間制度の見直しを検討

今回の答申では、労働時間制度について次の2点が検討事項として挙げられました。

① 1年単位の変形労働時間制

現在の制度では、あらかじめ労働日や労働時間を定める必要がありますが、急な受注や繁忙期の変化など、予測できない事情への対応が難しいという課題があります。
今後は、労働者の予見可能性を確保しながら、より柔軟に運用できる制度への見直しが検討されます。

② 裁量労働制

健康確保や長時間労働防止などの措置を前提として、裁量労働制の対象業務を見直す方向性が示されました。
対象業務が拡大されるかどうかも含め、今後の議論に注目です。


シフト制労働者の年次有給休暇がより分かりやすく

パート・アルバイトなどシフト制で働く方の年次有給休暇についても、実務上の疑問を解消するための見直しが進められます。
主な内容は次のとおりです。

  • 年休付与日数の算定方法を分かりやすく周知
  • 年休取得時に支払う賃金の考え方を明確化
  • シフト変更があった場合の賃金計算ルールを整理
  • シフト制労働者の年休取得率向上に向けた実態調査と改善策の検討

特に、シフト制を採用している飲食業・小売業・介護事業などでは、今後の運用変更に注意が必要です。


労働条件通知書の電子化がさらに進む可能性

現在も一定の条件を満たせば電子メール等による労働条件通知は可能ですが、利用要件が分かりにくいという声があります。
答申では、
・労働条件通知の電子化をより利用しやすくすること
・パート・有期雇用労働者や派遣労働者への通知方法も含めて見直すこと

が示されました。

デジタル化を進める企業にとっては、事務負担の軽減が期待されます。


外国人雇用制度も見直しへ

外国人材に関する制度についても、多くの見直しが予定されています。
主な内容は、

  • 育成就労制度を見据えた技能実習制度の試験見直し
  • 日本で生活するための基礎知識の習得機会の充実
  • 試験申請など各種手続きのオンライン化
  • 技術・人文知識・国際業務(技人国)の業務範囲を分かりやすく整理
  • 不適切な仲介業者への対策強化

などです。

外国人材を雇用している企業や、今後採用を予定している企業は、制度改正の動向を確認しておくことが大切です。


社労士からのポイント

今回の答申は、すぐに制度が変わるものではありません。
しかし、答申の内容は今後の法改正や省令改正、通達の見直しにつながる可能性が高く、人事・労務管理に大きな影響を与えるテーマが数多く含まれています。
特に、

  • シフト制の運用
  • 労働時間制度
  • 労働条件通知書の電子化
  • 外国人雇用

については、今後も制度改正の動向を注視する必要があります。

当事務所でも、制度改正の最新情報を随時お伝えするとともに、就業規則の見直しや労務管理のご相談を承っております。
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